■
新宿シアターPOOで豊田道倫を見た。
ライブの前に蕎麦屋で蕎麦を食べた。
その蕎麦屋の三階がシアターPOOだった。
蕎麦屋は以前行ったことがある店だったけどシアターPOOは初めてだった。
何年前かは分からない。
ちょっと前までだったら「新宿で〜を見た」と書けば、それは特に不思議なことではなかった。
だけど今夜は随分と特別な夜になってしまった。
会いたくて仕方がないから総武線じゃなく新幹線に乗って僕は新宿へ来たのだから。
なんで東京にいる間にもっともっと会っておかなかったのだろう。
いつも何か気にしすぎてしまい、ゆっくりと彼の歌に向かおうとしなかった。
ライブなんていくらでも行けたのに。
会いたいと思ったとき僕はもう広島に戻っていた。
じっくり聴きたい、直接彼の歌を聴きたい、そう思ったらいてもたってもいられなくなっていた。
2月3日 2月4日 ソロライブ 新宿シアターpoo(2days LIVE『SING,SING,SING』)
結論を先に書く、一日だけしか聴けなかったけど、本当によかった。
ありがとう。
薄暗い部屋の中でいっぱいいっぱい話をしたような気分だった。
聴きたかった曲も新しい曲も。
「リクエストある?」との問いかけに
「中ノ島図書館」を熱心にリクエストしているお客さんがいた。
その歌の中の一節が翌朝になってふっと頭に浮かぶ。
〜欲しいものには なにひとつ 触れたことないと 思い出した〜
僕は逆に欲しかったものに触れたときのことを思い出した。
泣きたい気分になる。
知らなくていいことをひとつ余分に知ってしまうことになるから。
でもそうしないと喜びもないままに夜が明けてしまう。
どうする?
もう夜も遅いよ。
結局彼のリクエストは聞いてもらえなかった。
歌を聴いてるうちになんだか新宿にいるみたいな気分になってきた。
いや、ここは新宿じゃないか。
街はキラキラと光ってる。
ここじゃないと会えない人と人がいるんだろう。
ここじゃないと出来ないアレとコレがあるんだろう。