jthirtyの日記

ちょっと待って


BABYMETAL×キバオブアキバ

BABYMETAL×キバオブアキバ


買いました。聴きました。

一曲目の「いいね!」が!!!


とにかくね、アイドルとメタルの融合といった謳い文句やそれに対する野暮なつっこみ(メタル違う!とか)はほんとに必要ないですよね。

サビをSU−METAL(中元すず香)が溌剌と歌い上げるのを聴いてるだけでもう感じてしまうくらいにポップ。
とろけてしまいます。可愛くて。


で、以下の歌詞。

いいね!いいね!夜空でパ→リナイッいいね!いいね!
輝いていこう とりま モッシュッシュ 少しずつなんて無理
YEAH YEAH 超絶すぎるよ完璧よ おんにゃのこは 夢も
きっと 超カオスだよ






おんにゃのこ




ですって!!



「萌える」

というのが自分の中にあるとは思ってなかったけど、これは萌え死にます。

なんだよ、まったくもう。


どうにもこうにも王道のアイドルだと思います。

完璧。


2012.4.1(sun) 『これがUFO音楽だ!電気ジプシー・スペシャルCD発売記念ツアー〜福山〜』
@:福山・ブギーマンズカフェ POLEPOLE

●時間:OPEN 16:30/START 17:00

●料金:3000円(1ドリンク付)

●出演:電気ジプシー・スペシャル(http://www002.upp.so-net.ne.jp/freylekh/
    瀬戸信行:clarinet+登敬三:tenor sax+イガキアキコ:violin+田島隆:electric guitar+瀬戸一成:electric bass+ワタンベ:drums+永田充:darbuka, davul
ゲスト:MINORI:belly dance

●お問合せ:福山・ブギーマンズカフェ POLEPOLE

   広島県福山市元町7-6 宮通りマエダ酒店2F
   TEL:084-925-5004

http://www.cafe-polepole.com/

ご予約お待ちしております!!

遠藤賢司を聴きに福岡へ行く(後編)

●2月26日日曜日

26日。

午前中、日課のジョギング(今日は5?)をこなす。
午後、昼を食べて荷物を急いで詰め込んで新幹線。ipodでは勿論遠藤賢司「ちゃんとやれ!えんけん!」
ドキドキする。色んな意味でドキドキする。

福岡に行くのは三回目。
その昔、椎名林檎率いる発育ステータスのライブが初。対バンのロレッタセコハンに痺れた。妻と二人で東京から見に行った。
次が2006年、カーネーション「WILD FANTASY」のツアーで。長女が産まれた年の9月のこと。
大好きなカーネーション、やはり広島でのライブがなく、わざわざ福岡まで行ったのだ。これはもちろんひとりで。
それ以来なのかと思うと随分久しぶりなんだな。でも、天神のあの辺りの景色はしっかりと記憶に残っている。


駅から十分ほど歩くと今日の宿。トラストインに着く。カプセルとビジネスの中間みたいなホテルでとにかく安かった!
男一人が寝るだけなら十分な広さと設備。これはいいな。キャナルシティのすぐ近く。

ボギーさんの書きこみに興奮する。もう戦いは始まっている。そうだ今夜は「純音楽大合戦!!!」なのだ。武者震いだ。

中州から天神まで歩く。前回もこの辺りを歩いたな。ほんとによく憶えてる。
街の中を川が流れていて、なんとなく広島市内に似てるなあと思った。前回そう思わなかったのは、まだあの頃はあまり広島市内に出かけてなかったからだろう。


広島にいても、福岡にいても、いや全国どこに行ってもつい覗いてしまうのがレコード屋。悲しい性である。
黄色と赤色のタワレコに赴いてみたが残念ながら改装前の閉店状態であった!うわーと軽くへこむ。別に何か買いたいものがあったわけじゃないんだけど。
そして大きく貼られた九州発アイドルグループ「LinQ」のポスターを見ながら、「九州に来たなあ」と実感するのであった。

初めて行くライブハウスVooDooLoungeの場所を確認。昭和通りから看板が見えた。リハ中かな?もっと近くに行ってみようかな?
もう興奮が止まらないけど、あと数時間であそこでエンケンが見れるのだ。踵を返して、JUKE RECORDSを探しに行く。
福岡で面白いレコ屋ありますか?と質問して教えて貰ったお店。二階にある為か看板を見過ごし何度も通りを行ったり来たりした。なんだVooDooのすぐ近くだ。
ぎっしり詰まったCDやレコードを物色するがどうにも集中できない。この後のことばかり考えてしまうよ。
お土産に何か買って帰りたかったし、何枚か気になるCDもあったのだけど退散する。



●始まった!!

そして開場したVooDooへ。
初めて遊びに行くライブハウスは緊張する。初めては何度でも緊張する。そして誰も知ってる人がいないという環境。戦いだ、今夜は。
ちょっとトロピカルな(ラウンジ?)雰囲気のお店。いいなあ。他であまり見たことないような感じ。DJの選曲もイイネ。

といきなり入口付近で今回唯一知ってるボギーさんに遭遇。安心したなあ。
エンケンさん、リハ凄かったよなどなど話を聞く。もー、どうしよう!!どうなっちゃうんだろ!!

ビールを飲んで待つ。

一番手はマルツカ道。そう今回は前座も主役もなんにもない。三者による闘いなのだ。
ステージの上を見上げると「純音楽大合戦!!!」と書いた紙が貼られている。ステージ後方はヨコチンレーベルのあのマークが掲げてある。
そして天井ではミラーボールがクルクルと回っている。場内では「マリリン・モンロー、ノーリターン♪」なんて流れてるしさ。

ここ最近のブログやライブ会場で配られた「ハイコレ通信」にも書かれているボギーさんとエンケンさんとの出会い。
そしてボギーさんとマルツカさんの出会い。これらを読んだ上で今日のイベントを思うと関係ないこっちまで胸が熱くなる。

そんな胸の熱さがマルツカ道さんの歌からも溢れていた。ストレートな弾語りだけど、言葉がザクザクと切り込んでくる。
きっとマルツカさんとボギーさんが出会って、憧れのエンケンさんとこうやってステージに立つなんて誰も想像してなかったことかもしれない。
20年前から今日までのことはほんとに誰も分からない。ひそかに胸に抱いていたかもしれないけれど。
想像もできなかった不幸もたくさんあるけど、こういった日があると思うと年もとるもんだなあと最近つくづく思う。
楽しいこと苦しいことなにが起こってもいい、一日でも一時間でも長く生きたいと思う。
おっさんになったのかなあ、まーいいや、知らない。生きていれば大丈夫。



ノントロッポ


一転してボギーさんのバンド、ノントロッポの登場。赤い衣装のボギーさん、最初からもう意識がどこかに飛んでるかのような表情。
ぶっ飛んでいるのに妙にさっぱりした顔。
さっきのマルツカ道さんもノントロッポエンケンも音楽の様相は違うけど、今日はそんなことが気にならなかった。全部が繋がっている。
自分もなんかしら繋がっているから今夜ここのいるんだと強引に解釈する。

ノントロッポは最高のダンス音楽。狂騒の天国。頭がおかしくなりそうだった。初めてライブを体験したけど、事前にyoutubeなんかで予習しておかなくてよかった!初体験はいきなりに限る。
音楽が「躁」のテンションでどんどんと上昇していくのに時々フッと悲しくなる瞬間があった。すごい楽しく踊ってるのになんか涙が出そうで足がもつれそうな。
昔見たフィッシュマンズのライブを思い出していた。5人でやってた頃のだ。あの感じが蘇ってくる。不思議な夜だった。



●不滅の男

いよいよエンケン
・・・の前にフロアにはゴザがひかれた。少しでも多くの人にしっかりと見えるように座ってほしいという意向だそうだ。
ゴザの上にみんながギュウギュウ詰まって体育座り。ぐるりと周囲を見渡してみる。なんとなく同世代の人が多そうだけど、僕より年配の人もまあまあいるようだし、若い人も多い。
なんだかわからないごちゃごちゃした客層っていいよね。お客が色になっちゃいけないよ。

幕が開く。

アンプと対峙しながらギターを弾いている。
「為に、音よ言葉よ俺の心に突き刺され」をずっと客席に背を向けたまま歌った。
この太い音。エンケンさん以外の誰でもない音。腹にずんと響いた。

そして「ちゃんとやれ!えんけん!」だ。
ギターを弾きながらドラムセットに座ってドラムも叩く!!
ものすごい音音音!!!
この一曲で普通のバンドのワンステージ分くらいの力を使いきったのではないかというほどの迫力。

そしてアコースティックに持ち替えて何を歌うのかとわくわくしていたらなんと「雪見酒」!!予想もしてなかったんで驚いたなー。
「カレーライス」「歓喜の歌」と続く。静かな歌でも激しく太い。

MCではゆっくりとやさしい口調で喋る。一言一言何かを探すように。
ジューダス・プリーストやAC/DCから田原俊彦郷ひろみにまで話が及ぶ。
どこまでも激しく、どこまでも可愛い、それがエンケンさんかもしれない。

「可愛いってのはいいよねー」という話で、「アイドルはすごく一生懸命でいいよね」とエンケンさん。
エンケンさん指すところのアイドルとは違うかもしれないけど、ここ最近アイドル狂いの僕としては個人的にそうそうと頷く。
可愛いを正当化させることはものすごい「芸」だもの。
で、その可愛さに対し、斜に構えることなく屈するのも大事なことなのだよ(これは僕の勝手な自論だけど・・・)
ということでエンケンさんから福岡に来てボギーさんに会うこと、そしてアイドルまで僕の脳内ではどんどん繋がっていく。

「不滅の男」「踊ろよベイビー」「満足できるかな」「夜汽車のブルース」

新作からもほとんどやった。
ピアノ弾語りの「もうちょっとだけ頑張ってみようかな」と「美しい女」はできなかったけど、「もうちょっとだけ…」は歌の背景を語る形でほぼ歌ったのと同じようだった。



あっという間に時間が過ぎていった。
アンコールの「夢よ叫べ」で終わってしまった。


来てよかった・・・。ただそれだけ。

歌ってない時は妙に小さく見えてしまうエンケンさんの勇姿をしっかりと目に焼けつけた。
ジャンルなんて関係ないと書くのは簡単だが、それを40年もやってるのは並大抵のことではない。
感動の涙を流しながら自分の胸に聞いてみる。「お前はそれをやってるか?」と。
歌を歌う人はそれだろうし、みんなそれぞれの「それ」がある。
やれてないかもしれない・・・と弱気になってしまうこともある。
それに対し、エンケンさんの歌は「がんばれ!」って励ますような類のものではない。
「やってるか?」と永遠に疑問を投げかけてくる。だから優しいのだ。

エンケンさんにサインを貰い、握手をしてもらった。緊張してあまり言葉が出なかった。

ボギーさんにもサインを貰って、また広島で会いましょうと言って別れる。


●夜

ひとりになって帰りは地下鉄に乗って帰った。耳も心もゴーッッて音が鳴っている。
博多に来たのにラーメンの気分にならず、うどんを食べてからホテルに帰った。
あ、カレーライスにすればよかったかな。

上階に大浴場と露天風呂があるので浸かりに行く。
ちょうどだれも居らず貸切状態でぼんやりする。露天に入って福岡の夜空をボーっと眺めた。

やけに漫画が揃っている休憩室で缶コーヒーを飲みながら休む。
そろそろ寝るかと思ったらテレビでアイドル特集の番組が始まって(笑)ついつい最後まで見てしまった。

ベッドに入り、思いついたことを数行メモして、「ハイコレ通信」のボギーさんの熱い文章を読んで、エンケンさんの「もうちょっとだけ頑張ってみようかな」と
「美しい女」の二曲を聴いてから寝た。


●2月27日月曜日の朝

福岡の朝。月曜日の朝。

ホテルから少し歩いてドトールで朝食。仕事前のサラリーマンだらけの朝。僕は今日はお休みです。
ドトールでコーヒーが飲めるってのは都会ってことだなあ。
街行く女の人がみんな美人に見える。少し雨が降っている。

昼前に駅でお土産を買って帰りの新幹線に乗った。
ipodを立ち上げて何を聴こうかと暫し考える。
そして平賀さち枝の「さっちゃん」を選ぶ。
春は近い。


●2月27日月曜日

2月27日月曜日、現在は22時40分。
次女(0歳)を寝かしつけて、二階の自分の部屋でパソコンを開いたところ。昨日の福岡で買ったボギー「青い春」を再生しながらこの文章を書いている。

昨年発売されたこのアルバム。最初は通販で買おうと思っていた。だけどなんか通販で買うのは勿体ない気がして保留。
その後、上京した際に立ち寄った高円寺の「円盤」で売っているのを見つけたけれど、やはりこのタイミングで買うのはなんか違うなと思い保留。
直接本人から買いたいなあとずっと思っていた。必ずその機会があるはずだから。

それが昨日叶った。それも福岡のVooDooLoungeで行われたボギーさんのイベント「ハイコレ」というベストなタイミングで。
遠藤賢司、ノントロッポ、マルツカ道のライブだ。2月26日、僕は一人で広島から福岡へ向かった。

この日に至るまで、この日に感じたこと、いっぱいいっぱいで整理しようとしてもしきれない。ならばもう全部、脈絡なく、思いつくまま、言葉のままに書いてみるしかない。

ボギーさんやヨコチンレーベル、ハイコレについて知ったのはいつだろうかと思い出してみる。多分、東京に住んでる頃で、OZディスクあたりからの流れだろうか。
まー、いつから知ったとかほんとにどうでもいいことだけどね。要はその頃はあまり興味がなかったということです。ふは!
で、その後は二階堂和美やpipinを知ってそこから「ハイコレ」を意識したり、「フィッシュマンズ・トリビュート」(名作!)を買ってノントロッポのCDを買ったり。
でも、まだまだそれほど自分の中では大きな存在ではなかった。「福岡に変な人がおる」というシンプルな認識のみ。

ボギーさんの存在が大きくなったのは極々最近の事で、それは広島ヲルガン座のイベントで初めてライブを見て、少し話をしてからのこと。
前後してmixiやブログを読んで、その濃すぎる熱量を初めて知ることになる。開催するイベント、それにまつわる諸々、人々、なんだこりゃという衝撃。
福岡行きたい、行きたい、行きたい!!!

うん、文章がなんかおかしくなってきたけど、このまま書きますね。一応、これでも普段は書き直したり校正したりするんですよ。だけど、今日はもうつらつら書くしかない。

で、福岡に行く機会をなんとか捻りだそうとしていたのですよ。
しかし現実には難しく、ボギーさんが毎回きっちり書いてる(これは凄いことですよ。最近書く人いないもの)ライブレポとかを読みながら歯ぎしりしてました。
すごーい、面白そうだーって。
そこに今回の遠藤賢司!!!うわー、どうしよう。広島に来るって話も聞かないし。行きたいよ。でも、そのニュースを知った時は「そうはいっても福岡だしな・・・」と諦めモード。



●思い出すこと

ボギーさんのことを思う時、やっぱり世代が近いのか(自分のが少々上だけど)例えばエンケンやらURCとかのフォークへの傾倒や、また岡村靖幸フィッシュマンズとかへの思いなど、共感することが多い。

自分の事を書く。
大学生の時にあの時代「フォーク」と呼ばれた音楽が続々とCD化されていった。中学生の頃はもうYMOだったわけで、フォークと言っても「神田川」とか「なごり雪」とかそんなもんだと思っていた。
中島みゆきやユーミンや長渕剛などが(当時)テレビの歌番組では歌わないと主張しており、なんてかっこいいんだと思っていた。

しかし、僕の知らなかった「日本の音楽」が存在することを10代後半に知ることになる。

遠藤賢司、友部正人あがた森魚、ジャックス(早川義夫)、高田渡西岡恭蔵三上寛、友川かずき、はっぴいえんどはちみつぱい・・・。



矢野顕子から「はちみつぱい」を知って、松村雄策さんの文章から早川義夫や遠藤賢司を知った。
これがフォーク??みんな全然違うじゃない。誰一人として同じ音楽をやってない。みんな自分一人がオリジナル。すごい自由で刺激的。
東京に出てきたばっかりで日本のインディーズや海外のスカム、ジャンクなどのややこしい音楽などにはまっていきながらも、同時に70年代の日本の音楽を色んな地図を頼りに聴くようになった。

昔の音楽だから、「これが名盤」と既に古典として代表作が色々紹介されていた。ものによっては大げさすぎるものもあったけど、20歳そこそこにはそれで十分刺激的でもうなんでも面白かった。
なので遠藤賢司も友部正人も歴史を学ぶような感じで最初は聴いていた。でも、ほとんどの人がまだ現役で歌い活動している!
自分みたいな若造に入る余地があるのだろうかと恐れながら色んなライブを見に行った。当然、「デビュー当時から聴いてるよ」みたいなおじさんおばさんがいて、若者がいると
「なんでこんなとこ来てるの?」みたいな視線に晒される。若いのに奇特ねー。緊張した。

と思ってた時代も遥か昔。あれから20年?エンケンさんも友部さんもあがたさんも聴き続きて20年経ったのだ。
自分もいよいよ凄いが、あの頃の人たちがまだ歌っていてくれてることが一番凄い。ものすごい大ベテランの大御所に見えたんだけどな。自分がもう41歳のおじさんになっちゃった。
60オーバーの凄い大人は更に凄いことになっていて、そして昔の自分みたいに若い子たちが何処かから必ずやってくる。
「なんで君たちみたいな若い子が?」と自分が思わず聞いてしまうようになったけど、そんなことが愚問なのは自分が一番よく知っている。敏感な耳や鼻には必ず匂いが届くの。



エンケンさんの新譜

エンケンさんの今年の新作「ちゃんとやれ!えんけん!」にやられた。暫くちゃんと聴いてなかったし、ライブも行ってなかったけど、今作には本当にやられた。
愚痴愚痴ごちゃごちゃしたとこが全然ないんだ。ただただ大きい音楽。すごい。

会いに行かなくちゃ。

エンケンさん65歳。
エンケンさんは100歳になっても歌っていそうだからまだ30年はライブが見れるだろう。・・・と思っていたらいつまでたっても会えないし、どうなるかなんてのは本当に分からない。
佐藤伸治やどんとにあんなに早く会えなくなるなんて思いもしなかったことだし、高田渡さんと西岡恭蔵さんには一度も会えなかった。また今度なんて思っていたんだ、どっかで。

東京に住んでる頃はエンケンさんのライブに何度か行った。凄かった。
だけど、広島にいるとなかなか機会がない。レコ発ツアーは関西でもあるけど、この福岡でのノントロッポとのが一番凄い組み合わせなんじゃないかと思った。
この組み合わせ、もとい「対決」を見逃したら後悔する。そう思ったのだ。直感で。徒にライブを見続けて何年も過ごしてるわけではない。その辺の直感には自信がある。



●こども

「ちゃんとやれ!えんけん!」を聴きながら、福岡行きたい!と鼻息を荒くしている頃、妻は臨月で大きなお腹に新しい命を抱いていた。
出産は2月2日予定。ほぼ女の子。長女5歳も妹の誕生を今か今かと待ちわびている。

そんな最中、2月26日に福岡でライブを見たい、というのは現実生活においては全然「ちゃんとやれていない」ってことである。
ちゃんとしてれば「残念だけど今回はしょうがない。涙をのんで諦めよう」と思う。

でも、思いが強すぎてどうしようもなくて、おまけに馬鹿だから「・・・行きたいんだけど・・・」と正直に告げた。
長女の世話を親に頼んだりとか諸々のことが解決できるなら行って来れば、わたしは別になにも言わないけど。と明らかに呆れたような顔でそう答えてくれた。
僕の性格はもう十分に知ってるはずである。どうしようもない人間だということも。単純な性格故、うまく段取りできれば可能ではないかと甘い期待を持ってしまって少しずつ計画し始めた。

2月2日に無事出産し、一週間ほどして母子共に健康な状態で我が家に帰ってきた。

晴れて四人家族となり、5年ぶりとなる赤ん坊との生活が始まった。そして、それは予め分かっていたことだが想像以上に大変なことである。
男の僕は、5年のブランクにあたふたしてるだけだけど、妻はその何百倍もきつい。それをきっちりとサポートしきれず不甲斐なく過ごす日々。
これで本当に福岡に行ってよいのだろうか?いくら馬鹿な僕でもさすがにそう思う。諦めてしっかりと側にいることが自分の「ちゃんとやれ!」だろうと。
「やっぱり止めるよ・・・」と告げたものの、でも心の中ではまだ迷っていた。なんてこったい。

この期に及んでまだ迷うのかい?

一週間、三日・・・と日が迫ってきて毎日「行こう!」「止めよう!」と自分の中で気持ちがひっくり返っていた。

そしてボギーさんに「急遽行けなくなるかもしれないけど予約お願いします」とメールをした。
前日にもう自分の中だけで「OK」にスイッチし、列車と宿を予約した。
「ちゃんとやれ!」をエンケンから生で直接浴びてくるしか「ちゃんとやれ!」はない、と自分勝手に納得した。


行くよ、福岡。